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【インタビュー】『ベーゼンドルファーを知れば、もっと豊かな人生が待っている。』 / 天沼 典子

2022.01.27

Interviewee

天沼 典子 Noriko Amanuma

早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科卒業。2013年ヤマハ株式会社入社。 趣味はヨガ(RYT200取得)とアロマ(アロマ検定1級取得)で、最近はオリンピックの影響で卓球もマイブーム。 ピアノも趣味と言いたいところだがあまり弾けていない日々が続いている。好きな作曲家はスカルラッティとドビュッシー。
最近弾いている曲はドビュッシーの『雨の庭』、これから弾きたい曲はグルダの『アリア』。 好きになったらとことん極めたい性格のため、仕事ではベーゼンドルファーを極めるべく日々奮闘中。

アメリカ留学で日本との音楽の解釈が違うことを知った

天沼さんが音楽と関わりはじめたのはいつですか?
ピアノを7歳の時から習いはじめました。母がピアノで挫折したこともあって、厳しく練習させられており、ピアノは毎日の生活の一部となっていました。習いはじめてすぐの頃、子ども向けのコンサート連れてってもらい、すごく楽しかったのを今でも覚えています。
大学は音楽の道ではなかったとお聞きしましたが…
そうなんです。音楽で生きていくのは大変だと母に言われて。ピアノは趣味として楽しく弾けたらそれでいいかなと納得する瞬間が自分の中にあり、その時に音楽大学ではない道で行くと決めました。
でも、レッスンは大学生になってもずっと受け続けていて、やっぱりピアノを弾くことが楽しかったんです。ちょうどその頃、「のだめカンタービレ」が流行っていて音大って楽しそうだなぁ、こんな生活送ってみたいなって思ったんです。進学した大学から留学するときに、副専攻で音楽が取れるところを探してアメリカに留学しました。
留学中の音楽の授業はどのような感じでしたか?
「music」という専攻の中の「piano paformance」という授業を選択していました。教授に師事して、個人レッスンを受けたり、夜には自主練習を行ったり、音大生のような生活でしたね。また、週に1度門下生が演奏を披露しあい、意見を交わしたりする「スタジオクラス」というのがあったり、教授から勧められた小規模なコンクールに出場するなどしていました。
アメリカ留学での経験で今のお仕事に生きていることってありますか?
国によって音楽の解釈が違うことを学びました。日本では練習曲のスタンダードな形が決まっていますが、アメリカは日本ほど決まっておらず、よく演奏される作曲家も日本とは違います。また、自分に選択肢が与えられている感じがとてもあって、ストレスを全く感じずに演奏をすることができていました。
ヤマハへの入社を決めた理由は?
就職を考える時、日本のものを世界に広めたいという気持ちがありました。初めは分野問わず考えていましたが、せっかくやるなら自分の好きなものを広めたい。そこで、幼い頃から大好きなヤマハのグランドピアノを思い出しました。今は、逆のことをしているんですけど笑
ベーゼンドルファー・ジャパンの配属になった時、どのような印象を受けましたか?
5年前からこのお仕事をさせていただいています。今まで自分もヤマハしか弾いたことがなかったし、コンサートに行っても使用している楽器に注目することはあまりありませんでしたが、ベーゼンドルファーというピアノに出会って、衝撃を受けました。歴史やストーリーがあって、演奏してみても、お仕事をする中でも、知っても知っても知り足りない奥深さに感動しました。ヤマハのピアノをすっかり忘れてしまうほど、ベーゼンドルファーに夢中になり、恋に落ちたような初めの1年間を送っていました。
ベーゼンドルファーでは具体的にどのようなお仕事をされて来ましたか?
お客さんや特約店への営業、イベント企画、パンフレットなどの販促物の作成や研修など「ベーゼンに関わること全てをやっている」という感じです。他にも、ウィーンの工場に選定に行ったり、製造過程を見たいお客様の同行を務めることもあります。
お仕事の中で、印象に残っている事やベーゼンドルファーの凄さを感じた出来事はありますか?
一生懸命売ろうとしなくても選ばれる楽器だなと感じています。私が多くを語らなくても楽器が伝えてくれるみたいな。俗にいう”営業マン”って一生懸命説得させるみたいなイメージがあるけど、私の場合は、いいピアノを用意することかなと思っています。1台1台音が違うから、まさにご縁だなと。ピアノがお客様と出会ってお嫁に行くという感覚で本当にピアノありきの営業です。
ベーゼンドルファーのお仕事をやっていてよかったなと感じる時はどんな時ですか?
やっぱり1番は、購入されたお客様が買ってよかった、趣味が増えたなどベーゼンがあることによっていい生活がもたらされたことを知る瞬間ですね。他にも、コンサート会場にベーゼンを持っていって、ベーゼンが入ることによって感動が生まれる瞬間もとても嬉しい気持ちになります。
天沼さんにとってベーゼンドルファーはどんな存在ですか?
うーん...働く楽しさを教えてくれたという感じでしょうか。
世の中では、仕事や働くということに関して、めんどくさいとか働きたくないなと思う時ってあると思うんです。だけど、ベーゼンドルファーの仕事をしているなかで私は思ったことがないんです。しかも、自分が仕事で成績を残したいから頑張るというわけでもない。ベーゼンと毎日関わる生活が仕事になっているという感じなんです。そういう働き方ができていることって幸運だなと思っています。 他にも、人が好きなのでショールームにお客様の出会いがとても好きです。
ベーゼンドルファーを弾くという目的で来てくださるお客様と、ベーゼンのお話やそのお客様の人生についてのお話を聞くことがあります。ピアノを買う買わないは別で、ふらっと立ち寄ってくださったお客様と2時間も3時間も話し込んでしまうことはしょっちゅうあります。ショールームで働いていなければ出会わなかった人とベーゼンドルファーは出会わせてくれましたね。
これからの目標や夢はありますか。
ベーゼンドルファーを知っててたらもっと幸せになれる人たちにとにかくベーゼンの存在を知らせたい。これに尽きるかなと思います。ベーゼンを好きな人にずっと大切にしてもらうのももちろん大事ですが、ベーゼンを知ったらもっと豊かになる、とか、もしベーゼンで演奏してたらもっといい演奏が届けられるピアニストさんとか、ベーゼンを知ったらもっと幸せな人生が待っている、だけどこのピアノの存在を知らない人に伝えていきたいです。
Interviewer:Kako