「クラシックって何から聞いていいかわからない」
「聞いている時何に注目したらいいの？」
「クラシックの演奏家ってどんな人なんだろう…」
「なんか眠たくなっちゃうしなぁ」

世界３大ピアノの１つと呼ばれるベーゼンドルファーの中古輸入専門店を営む家で育った私たち姉妹（Kako, Wako）は、いままで何度もこのような会話を聞いてきました。たしかに、育まれてきた歴史や演奏会の様子を想像するだけでも、そこから生じる敷居の高さは否めません。でも、敷居が高いから一部の人しか楽しめないのか。私たちはそうではないと、今までのたくさんの演奏家と聴衆が出会い、満足感から幸せそうに帰っていく背中を見てきて感じています。

私たち姉妹の母、祖父母やその仲間たちが集まって結成されたMUSIC＆ART Supportの企画するコンサート。その特徴は、なんといっても”アットホーム”なこと。大きなホールとは違い、演奏家と聴衆の距離が近く、お互いの息遣いを感じながら1つの音楽が完成する瞬間を共にします。

コンサートが終わり太陽が沈んだ頃、その日来てくださったお客様、スタッフ、そして演奏家が共に集い、ピアノのある空間で持ち寄ったワインやお料理とともに打ち上げパーティーを行います。そこでは、その日の演奏会の話はもちろん、最近ハマっている趣味の話や自分のお仕事の話など「演奏家」「聴衆」といった肩書きの一切ない空間が広がります。一方で、さっきまで学生時代に流行っていたことで盛り上がっていたかと思えば、次の瞬間には隣にあるピアノで超絶技巧を繰り広げていたり…なんてことも。その場にいたピアノが弾けるお客様との即興セッションもありました。

そこにいるみんなが好きだと思う「音楽」が中心にあるコミュニティ。この打ち上げパーティーにこそ、クラシック音楽を楽しんでいただけるヒントがたくさんあると私たちは考えました。

依然としてコロナウイルスが猛威を奮っている今、パーティーどころか演奏会も今まで通りできなくなってきていますが、なんとか多くの人にあの楽しさや高揚感を伝えたい。高校生と大学生になった姉妹が、試行錯誤しながら考えた情報サイト。それが「音楽の森に人は集う」（通称 OTOMORI）です。